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沖縄の御願の仕方に戻る
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・旧盆(ウンケー)
・旧盆(ナカビー)
・旧盆(ウークィ)
・8月の屋敷の御願・シバサシ
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・ムーチー
・12月の屋敷御願
・ヒヌカンの昇天
ウグヮンブトゥチ(御願解き)
・トゥシヌユゥル(大晦日)
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2月の屋敷の御願(ヤシチヌウグァン) |
旧暦2月1日〜10日頃 |
沖縄において家(屋敷)は、単なる住む為の道具ではありません。先祖から代々伝えられた神聖な空間であり、
各所に神々がいると考えられています。そこで1年に2回、主に一家の主婦が、屋敷の諸所にいる神々にお供え物を捧げ、
家内安全を祈ります。
【用意するもの】
■線香12本3本(15本線香)+クバンチン(シルカビ)3枚1組を1セットとして、下記の数を用意する。
※クバンチン(シルカビ)の作り方・・・・・@習字紙を3枚重ねて、縦半分に折る。 A次に、折った習字紙を
横四等分に折目をつける B折目にそって、習字紙を4等分に手で切り分けていく
C切り分けたら、3枚重ねのクバンチンが4組出来あがり。そのうちの3組で一セット。
<一軒家の場合>
・ヒヌカン用3セット ・土地の四隅用12セット
・家の門用3セット ・玄関用3セット
・床の間用3セット ・トイレ用3セット×トイレの数
<集合住宅の場合>
・ヒヌカン用、玄関用、トイレ用に各3セット
■・ビンシーセット(お酒、水、お米(水で7回洗った米と、洗ってない米)、塩、ウチャヌク(3つ重ねた餅)、バナナ、リンゴ、
ミカン)
【御願の手順】
@拝みはヒヌカンから先にします。香炉の前にクバンチン3組を並べ、15本御香3組に火をつけ、香炉に立てる。
ビンシーセットは香炉の前に置きます。
Aグイスをあげながら、これから屋敷の御願をするあいさつをします。
B次に、屋敷の北端に御願セットを持って移動します。御願セットを屋敷から北に向かって置き、その前にクバンチンを並べ、
その上に線香を置きそして御願を行います。
(ヒヌカン以外の場所では、線香に火をつけないで拝みする人が増えています)
C御願が終わったら、米と塩を線香の上に少しふりかけます。
Dその順序は、1.北 2.東 3.南 4.西 5.門 6.トイレの順に行います。もちろん移動するたびに、御願セットは持ち歩きます。
E最後にヒヌカンに戻り、線香に火をつけて立て、無事に「屋敷御願」がすんだことを報告します。
E御願で使用した線香や白紙はそのままにしておき、北、東、南、西、門の御願が終わったら、御願をした順序で片づけます。
これらは家の中に持ち込まないように、袋などに入れて外に置いておき、ゴミの日に出すようにしてください。
【その他】
・屋敷の4隅を回るときは、北を起点に、2月は時計まわり(右まわり)、8月と12月は反時計まわり(左まわり)。
右まわりは「良いものを入れる」、左まわりは「悪いものをはずす」といわれています。
・8月はお盆に居残ったヤナムンを、12月は1年間の口災いなどをはずすために、左まわりします。 |
【御願のグイス(拝みの言葉)例
ヒヌカンの拝み
サリ アートートー、ウートートー
今日の良き日に、(干支)年生まれの私し(山田花子)が拝みをさせていただきます。
12本3本の線香、と洗い清めたお米とお酒、お塩をお供えいたしまして屋敷の拝みをいたします。
この家で子供たちが健康でまっすぐに育ち、夫婦仲良く健康に過ごすことができますよう、火の神様、天の神様、地の神様、
竜宮の神様、12支の神々様、北・東・南・西の神様、門の神様、戸柱の神様、床の間の神様、便所の神様、屋敷中央の神様
すべての神様の力を合わせて、この家屋敷をお守りください。この家屋敷にヤナムン、ヤナカジ、他人の口災いが入って
きませんように。
今年も神様からたくさんの徳をいただけますよう、神様の光でこの家屋敷をお守りください。
拝みをしております私はまだまだ未熟者ですが、不足がありましたら、火の神様で補ってくださいますよう、お願いいたします。
サリ アートートー、ウートートー |
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参考文献
・沖縄暮らしのしきたり読本
・御願ハンドブック |
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